第6回〈体験ツール研究会〉の報告
日時◆2008年10月19日(日曜日)
◆10時00分〜
会場◆栃木県立美術館 集会室
参加◆一般の方 1名
◆高等学校教員 1名
◆美術館学芸員 4名
◆合計 6名
2008(平成20)年10月19日、第6回〈体験ツール研究会〉が栃木県立美術館の集会室を会場に開催されました。
今回は、とりあえず試作品が完成した「触れるツール」を持参して、実際に現物を手にしながら、その詳細について検証しました。
【今回の議題】
■試作された「触れるツール」について1
◆完成した試作品は、木の板で作った立方体の表面を白いジェッソで整え、その上に紙や絹、カンヴァスなどをペーパーセメントで貼り付けたもの。
◆立方体の1辺の長さは18cm。
◆試作品の立方体に貼った紙、絹、カンヴァスは、前々回の研究会までに作成されていた「触れるツール」のための素材で、それぞれ、ベンガラを膠や油、アクリルと水で溶いた絵具が塗られている。
◆同一のベンガラの粉末を、膠で溶いたものを日本画の絵具、油で溶いたものを油絵具、アクリルと水で溶いたものを水彩絵具に対応させた。
◆上記の3つの絵具を、基底材や塗り方のちがいで、さらに2つに分け、以下のとおり、6種類の素材にして立方体に貼り付けた。
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■試作された「触れるツール」について2
●箱が小さすぎるとわかりにくいので、触覚で感じるためには、これくらいの大きさは必要となる。
●しかし、この形状だと、置いておくだけでは使用しにくい。
●紐で吊るせるようにしたらどうだろうか。
●使い方の説明や、キャプションなどを付けてみることが必要ではないか。
●さらにテクスチャーがわかりやすいツールも必要。
●ベンガラという同一の素材に拘らず、テクスチャーの特徴が、より明確になる市販の絵具を使った方がよいのではないか。
●展示することで、絵具や画材の質感やテクスチャーについての理解を促すという目的を考えると、系統樹=樹形図のような形もよいかもしれない。
●原点に戻り、立体であるということを再確認する必要も。
●作家の渡辺惠美子さんに、「針金の樹」の作り方を教えてもらって、立体的な樹形図としたらどうだろうか。
■次回の研究会
◆次回は、11月22日(土)に栃木県立美術館を会場として開催し、今回の試作品の内容を踏まえた上で、さらに、「触れるツール」の新たなアイデアを持ち寄るようにする。