第5回〈体験ツール研究会〉の報告
日時◆2008年9月13日(土曜日)
◆13時00分〜
会場◆栃木県立美術館 展示室/普及分館ラウンジ
参加◆一般の方 1名
◆高等学校教員 2名
◆中学校教員 3名
◆小学校教員 4名
◆美術館学芸員 3名
◆合計 13名
2008(平成20)年9月13日、第5回〈体験ツール研究会〉が栃木県立美術館の展示室と普及分館ラウンジを会場に開催されました。
今回は、栃木県立美術館による〈教師のための土曜講座〉と連携し、石や土から絵具をつくる体験をしたあと、そこから、改めて鑑賞について考えました。
【今回の議題】
■絵具を手作りする体験
◆当日は、13時00分に栃木県立美術館の常設展示室受付へ集合して、まず、連絡事項の伝達や参加者の自己紹介、ゲストである作新学院高等学校美術デザイン科教諭・鈴木武雄氏(あーとネット・とちぎ幹事)の紹介などを行なった。
◆13時20分から20分間、常設展示室において、コレクション企画II〈出合いに始まるものがたり〉展を観覧し、普及分館へ移動して休憩。
◆14時00分から10分間、鑑賞の契機となる体験ツールの考え方について説明をしたあと、ゲストの鈴木武雄氏の指導により、15時20分まで、実際に、体験ツールとしての絵具の手作りを体験した。
……硬い石、大きい石は、まず、ハンマーで叩いて割ります。
……割れた石をヤスリで削って、さらに細かくします。
……ラピスラズリ(瑠璃)も削ると絵具になります。
……土は乳鉢で丹念にすり潰します。
……参加者の皆さんは硬い石を削ってゆくうち、次第に熱中してきました。
……細かくなった石の粉末に膠を混ぜます。
……手作り絵具の完成です。
……手でも描けます。
……参加者のみなさんも楽しそうです。
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◆片付けのあと、15時30分から30分間、実習の感想や意見を交換し、学校と美術館との連携の可能性などについて、参加者で話し合った。
◆いくつかの連絡と全体のまとめを行なってから、アンケートに記入してもらって終了。
■体験ツールとしての手作り絵具
●近世の日本の絵画などは、なにか鑑賞のための糸口がないと、立ち止まりもせずに通過してしまいがちな分野である。
●絵具を作る体験をすることは、そのような、敬遠されがちな分野でも、興味を持って鑑賞を行なうためのよい契機となるのではないか。
■次回の研究会
◆次回は、10月19日(日)に栃木県立美術館を会場として、前回の研究会で協議した試作品を完成させて持ち寄り、詳細に検討する。