第4回〈体験ツール研究会〉の報告

日時◆2008年7月19日(土曜日)
  ◆13時30分〜
会場◆栃木県立美術館 普及分館ラウンジ

参加◆大学関係者  2名
  ◆高等学校教員 2名
  ◆中学校教員  1名
  ◆美術館学芸員 4名
  ◆合計     9名

 2008(平成20)年7月19日、第4回〈体験ツール研究会〉が栃木県立美術館の普及分館ラウンジを会場に開催されました。
 今回は、前回の研究会で分担を決めた「触れるツール」の素材が、一通り揃ったので、これらについて検分し、最終的に詰めていく協議を行ないました。

【今回の議題】

■「触れるツール」について

◆前回の研究会で分担を決めた「触れるツール」の素材が、一通り揃ってきた。

「触れるツール」の素材としての紙やカンヴァス

「触れるツール」の素材としての紙やカンヴァス

●「触れるツール」を実際に作るためには、その目的を考えて、使用例を想定しなければいけない。

●触れるツールの製作の意図するところを、もう一度、確認する。

●制作するツールは、絵画のマチエールの可能性について体験者に考えさせるようなものにしなければいけないのではないか。

●一つの素材からたくさんの表現のバリエーションが生まれる可能性について理解させるものにつなげたい。

●最終的な目標がそうであったとしても、とりあえずは、素材の違いを触覚的に理解することから始めるべきだろう。

●まず、最も基本的な素材の違いを触覚的に理解するツールを作ることができれば、そこから、マチエールの可能性を探るツールに展開させることもできるのではないか。

●一つのツールが、いろいろと発展していく可能性を大事にしたい。

●ここまで議論されてきた二つの方向性は、「鑑賞を促す――触れるツール」と「制作を促す――触れるツール」との違いとして整理できる。

●「触れるツール」の当初のねらいである、平面上のイメージと実際の立体との関係性を把握できる能力の涵養についても留意しておきたい。

●とにかく、次回の研究会までに、今回の材料を用いたツールを実際に作ってみる。そうしたら、いろいろと、また、問題点もはっきりとしてくるだろう。

……小杉放菴記念日光美術館において制作。

■総会について

●8月の研究会は総会に併せて開催される講演会および懇談会にあてるので、マイケル・パーソンズさんのお話しをよく聞いて、今後の研究会にも役立てる。


■次回の研究会

◆8月3日(日)には、総会、講演会および懇談会が開催されるので、8月の研究会は、それらの集まりで代替し、今回の続きは、9月13日(土)に栃木県立美術館を会場として開催したい。そのときまでには、「触れるツール」の、一応の完成形を提示できるようにしておくとともに、絵具を作るワークショップなどについても検討する。