第3回〈体験ツール研究会〉の報告

日時◆2008年6月14日(土曜日)
  ◆13時30分〜
会場◆栃木県立美術館 普及分館ラウンジ

参加◆大学関係者  2名
  ◆高等学校教員 4名
  ◆中学校教員  1名
  ◆小学校教員  1名
  ◆美術館学芸員 4名
  ◆合計     12名

 2008(平成20)年6月14日、第3回〈体験ツール研究会〉が栃木県立美術館の普及分館ラウンジを会場に開催されました。
 今回は、「触れるツール」の試作のための具体的な手順について協議し、実際の制作へ向けての役割の分担を決めました。

【今回の議題】

■「触れるツール」の素材

◆前回の協議に基づき、各自で用意した素材(紙やカンヴァス、絵具など)を持ち寄って検討を行なった。

用意された紙やカンヴァス、絵具

用意された紙やカンヴァス、絵具

◆栃木県立美術館、宇都宮美術館、小杉放菴紀念日光美術館の3館では、通常の普及活動用に、いくつかの紙・画材類をすでに用意していた。

◆各自が用意した素材についての説明。

■「触れるツール」の参考

◆さくら清修高等学校の有坂先生が、これまでの授業で実践してきた、「素材についての資料」(生徒たちに制作させたもの)の説明を受け、それらについて話し合った。

「素材についての資料」

「素材についての資料」

●純粋に、見ていておもしろい内容だ。

●自分の授業でも使ってみたい。

●そのまま、作品として展示できるようなものもある。

●この資料は、素材としてより、表現そのものとしての可能性を追求した方がよいのではないか。

■「触れるツール」の準備

◆「触れるツール」の具体的な制作方法についての検討した。

●とりあえず、手近にあった木製の立方体(六面体)に、各種の素材を貼り付けてみる。

●木製の六面体は18cmの立方体なので、貼り付ける素材は、おおよそ10cm四方の大きさのものを用意する。

●貼り付ける素材としては、とりあえず、最も代表的な画材である、日本画、油彩画、水彩・アクリルの3種類を基本に考える。

●この3種類の画材を、日本画の顔料を絹に塗ったものと紙に塗ったもの、油絵具を薄く塗ったものと厚く筆触を目立つように塗ったもの、透明水彩と不透明水彩などと、さらに2つに分ければ、ちょうど、6種類になって、立法体の全ての面を使える。

◆それぞれの画材の試作担当者が下記の通りに決まった。

日本画    :有坂先生(県立さくら清修高等学校)

油彩     :野原先生(県立鹿沼高等学校)

水彩・アクリル:鈴木先生(作新学院高等学校)

●素材には、何色を使ったらよいのか?

●油彩の場合には、溶き油の違いも考慮した方がよいのではないか。

●今後のことを考えると、あまり高い材料は使わない方がよい。

●ベンガラだったら、安価で手にはいる。

●ベンガラの粉末を一括で入手し、それぞれ、膠や油やアクリルのメディウムで溶いて使用すれば、日本画、油彩画、水彩・アクリル画の素材になる。

●ベンガラという同じ顔料を共通で使用すれば、メディウムの違いが、より理解しやすいかもしれない。

●絵画の素材は、子どもたちだけでなく、大人にも興味を示す人がいるので、美術作品に関心を惹くための「つかみツール」としても活用できるものにしたい。

■総会、講演会および懇談会について

●総会に合わせて、2008(平成20)年8月3日の13時30分から、マイケル・パーソンズ氏による講演会「鑑賞教育の意義」(通訳付き)を開催する。

●会場は、宇都宮美術館の講義室を確保できた。

●貴重な機会なので、ぜひ、一般の参加者も歓迎したい。

●欠員となっていた「あーとネット・とちぎ」のもう一人の副会長には、宇都宮美術館の学芸課長・浜崎礼二氏に内諾を得たので、新しい役員人事案に含めて総会で提案したい。また、同じく欠員となっている、小学校部会の幹事については、栃木県小学校教育研究会図画工作部会の部会長・小林先生にお願いして探していただく。


■次回の研究会

◆次回は、7月19日(土)に栃木県立美術館を会場とし、今回、先生方に依頼した素材を集めて実際に試作品を制作してみる。また、事務局を中心に、総会の準備を進めるための協議も行ないたい。