第11回〈鑑賞ツール研究会〉の報告
日時◆2008年2月20日(水曜日)
◆18時30分〜
会場◆栃木県立美術館 普及分館ラウンジ
参加◆中学校教員 1名
◆小学校教員 1名
◆美術館学芸員 3名
◆合計 5名
2008(平成20)年2月20日、第11回〈鑑賞ツール研究会〉が栃木県立美術館の普及分館ラウンジを会場に開催されました。
今回は、新たに提案された「投げかけキャプション」付の額縁ツール・キット試作品の検討を行なったのち、新しい『学習指導要領』の内容について討議し、ついで、今後の活動についても話し合いました。
【今回の議題】
■「投げかけキャプション」+絵葉書の試作品Dについて
◆試作品A(一条中学校の青木氏の提案)について
- 色紙を利用し、三角コーナーで絵葉書とキャプションをセットするタイプ
- 色紙は、百円ショップで2枚1組を購入できる
- コーナーやキャプションを入れるポケットには、使用済みの封筒を再利用する
- 製作は、きわめて簡単で、安価
- 絵葉書とキャプションのそれぞれを簡単に取り替えることができる
●市販の三角コーナーのシールを利用すれば、もっと見栄えがよくなるのではないか。
●製作が簡単なので、各自が工夫し、卒業記念に授業で作るのもよい。
●このタイプならば大量に製作できるが、意外と、学校で掲示できる場所は少ない。
●学校での掲示場所には、いろいろな配慮が必要となる。
●この試作品も、すぐにモニタリングに利用できる。
■「投げかけキャプション」のモニタリング
◆御幸小学校と一条中学校において試作品Aと試作品Dを、それぞれ試してもらい、次回以降に報告してもらう。
●2月18日に小杉放菴記念日光美術館で開催された上都賀地区中学校教育研究会美術部会研修会(研究授業)でも、参加した先生方に試作品Aの説明書入りパッケージを配布したので、いずれ、なんらかの反応があるかもしれない。
■新しい『学習指導要領』について
●「言語力」という項目は何をめざしているのか。
●作品(表現)の補足なのだろうか?作品(表現)をめぐる対話なのだろうか?
●作品(表現)の補足としての「言語力」というのは、本来、美術の表現には必要がないものではないのか?
●「共通事項」とは、図工美術科だけに存在する項目で、全てのジャンルを通じて指導の際に注意を払うべきとされている。色・形・イメージなどの、造形要素に関わることに重点が置かれている感じがする。
■今後の活動について
●研究会の活動として、ワークショップなどに使える平版プレス機を製作してみてはどうだろうか?
●版画家や、機械製作の技術者たちとの連携をはかることができる。
●もし、うまく製作できたら、学校や個人への有料頒布も視野に入れてみる。
●その他、これまでの研究会で話題になったツール案についても、引き続き、試作をしてみたい。
●素材やテクスチャーを実際に触れて、触感覚を確認するためのツールは、それぞれ別の素材を貼付した六面体で試作してみてはどうか。
●立体空間を把握させるためのツールについても、アイデアを考えてゆきたい。
●「わくわくツール」、「つかみツール」として、鑑賞の導入に役立つ、ゲーム性のあるツールも必要だろう。
■次回の研究会
◆「投げかけキャプション」付の額縁ツール・キットを実際に用いたモニタリング調査について報告を行なってもらう。また、次回は〈鑑賞ツール研究会〉に引き続いて役員会も開催し、今年度のまとめと、来年度に向けての事業計画を話し合う。