第6回〈鑑賞ツール研究会〉の報告

日時◆2007年9月21日(金曜日)
  ◆18時30分〜
会場◆栃木県立美術館 普及分館ラウンジ

参加◆大学関係者  2名
  ◆中学校教員  1名
  ◆美術館学芸員 5名
  ◆合計     8名

 2007(平成19)年9月21日、第6回〈鑑賞ツール研究会〉が栃木県立美術館の普及分館ラウンジを会場に開催されました。
 今回は、「あーとネット・とちぎ」のホームページからダウンロードし、印刷して、配布することができるリーフレットのデザインを検討したあと、前回からの課題であった、美術館で発行している絵葉書に「投げかけキャプション」を組み合わせたキットの製作について、実験を行ないました。

【今回の議題】

■「あーとネット・とちぎ」のリーフレットについて

◆「あーとネット・とちぎ」のホームページからダウンロードし、各自で印刷して、配布することができるリーフレットのデザインを、中沖尚行氏(宇都宮文星短期大学)に依頼していたが、デザイン案が提示されてきたので、それについて検討し、下記のような改善点を伝えることになった。

●連絡先を記した部分が読みづらいので、表記を改め、順番を入れ替える。

●中段の、活動を紹介している部分は、読みやすいよう、箇条書きに修正する。

●モノクロ印刷用のバージョンがあると、各自で印刷する場合に、安価で、手軽に行なうことができる。

◆なお、リーフレットのPDFファイルをダウンロードするボタンは、なるべく、トップページの近くに置いた方がわかりやすいので、有限会社 ダガ・グラフィックスの市原氏とも相談し、ホームページの構成を検討する。

■絵葉書を用いた「投げかけキャプション」の実験

◆各自が持ち寄った美術作品の絵葉書を全て並べ、鑑賞者に投げかける言葉(「投げかけキャプション」の内容)を考えて付箋に記し、絵葉書に貼ったあと、その言葉について全員で考察した。(以下は、その結果)

●「何をしている?」などといった、作品にストーリーを求めて、その内容を問うものが多かった。

●作品にストーリーを考えさせるものは、それぞれ、反対の内容のものを求めても面白いのではないか。【例:「悲しい話」と「楽しい話」など】

●今回、作品の素材や構成について問うものが、すぐには出てこなかったが、それは何故なのか。

●次回は、そうした、素材や構成について留意し、キャプションを考えてみてはどうか。

■「鑑賞ツール」の新しいアイデアについて

◆今回、「鑑賞ツール」の新たなアイデアとして、下記の二つの提案があった。

●寺田寅彦による「浮世絵の曲線」(『寺田寅彦随筆集』第二巻より)から発想し、浮世絵をテーマにしたツールの提案。【詳しくは、宇都宮市立一条中学校・青木孝浩氏の投稿記事「05あーとネット・とちぎ : ヒントになりますか?」を参照】

●前回の〈鑑賞ツール研究会〉でも提案されたアイデアであるが、次回に検討する素材や構成について問う「投げかけキャプション」との関係からも、触れる教材(触って学ぶ教材=素材や技法に着目したツール)の再検討。【例:日本画と油彩画の手触りのちがいを体験できるツールなど】


■次回の研究会

◆作品の絵葉書を用いた「投げかけキャプション」のうち、素材や構成に関して問うものについてのアイデアを持ち寄り、それをテーマに討議する。