第5回ワークシート研究会の報告

日時◆2006年11月11日(土曜日)
  ◆13時30分〜17時00分
会場◆小杉放菴記念日光美術館

 2006(平成18)年11月11日、第5回ワークシート研究会が小杉放菴記念日光美術館で開催され、大学関係者1名、高等学校関係者1名、中学校関係者1名、美術館関係者4名、計7名の参加者がありました。
 今回は、同館で開催中の〈画家がいる「場所」−現代絵画のなかの記憶・風景・身体〉展を観覧し、この展覧会の企画プロデューサーである田中淳さん(東京文化財研究所)によるスライドレクチャーを受けたあと、その出品作品を対象とするワークシートの作成を目的としたディスカッションを行ないました。

【今回の議題】

■課題の準備

01 まずは最初に、展示室で展覧会を見る。

02 エントランスホールのモニターで、展覧会のコンセプトと出品作家についてまとめたスライドショー(13分くらい)を見る。

03 展示室に戻り、再び展覧会を見る。

●以上が、この展覧会のオススメの観覧方法であることを、田中淳氏から説明され、引き続き、岩手県で開かれた「アート@つちざわ」について、スライドレクチャーを受ける。

●画家にとっての「場所」――ホワイトキューブとしての美術館の「場所」と、その美術館を脱した「場所」について考えてみる。

■課題の作例

●今回は、現代美術に初めて触れる中高年を対象としたワークシートを製作する。

●この展覧会のワークシートについては、今回の出品作家4人に的をしぼるものと、現代美術全般に眼を向けさせるようなものとが考えられる。

●出品作家4人に的をしぼったワークシートを考える場合、展示室のプランを掲載した今回のチラシが、とても有効である。

●このチラシにトレーシングペーパーを重ねると、そのままワークシートになる。
……ワークシートの新しい手法になるのではないか

●ワークシートのキーワードも「場所」としてはどうか。

●4人の作品が全部見えて共鳴を感じる場所、なにか音楽が聞こえてくるように感じる場所などを、自分が見出した「場所」として、トレーシングペーパー上にシールを貼らせてはどうか。

●鑑賞のキーワードも、「場所」と考えられるのではないか。
……ずっと近づいたり、離れたりして見る
……絵の横から側面を見る
……作品の手触りを感じる(美術館という場所ならではの感覚)

●鑑賞というのは、自分なりの場所=意味を作っていく作業なのではないか。

●美術館(ホワイトキューブ)だからこそ見つけられる場所=意味もあるのではないか。

■次回までの課題

◆栃木県立美術館「とちぎ美術探訪−県内ミュージアムが誇る日本絵画の名品たち」展のワークシートを、各自で検証・分析して持ち寄る。