第3回ワークシート研究会の報告

日時◆2006年9月22日(金曜日)
  ◆18時00分〜19時30分
会場◆宇都宮美術館

 2006(平成18)年9月22日、第3回ワークシート研究会が宇都宮美術館を会場にして開催され、大学関係者1名、小学校関係者2名、美術館関係者3名、計6名の参加者がありました。
 今回は、前回の課題として各自が作成してきた、ルネ・マグリット《大家族》(宇都宮美術館所蔵)のワークシートを発表し、意見交換を行ないました。

【今回の議題】

■いろいろなワークシート(例)の検証

▼対比を考えさせるワークシートの例(描かれているもの、色、構成、質感)
……「対比しているものを見つけてみよう!」

▼作品のぬり絵を事前に体験したあと、実際の作品と比較させる例
……「(本作と自作を)比べてみたら、どんな発見があったかな?」

▼アートオリエンテーリングの例
……「海の描き方を、周りの作品と比べてみよう」

▼議論(ディベート型)の例
……「〜と思いますか?」「思う/思わない。なぜなら〜」

▼絵葉書に手紙を書かせる例
……「Aさんは〈大家族〉の絵葉書で何を伝えたかったのかな?」
●Aさんの立場を変えてみることで、作品の解釈も変わると思われる。

▼切り抜き+折り紙(いろがみ)によって背景をつけさせる実技型(構成)の例
……(1)背景が空白 (2)鳥の形の中が空白 (3)すべて輪郭線のみ
●上記のようなバリエーションが考えられる。

▼作品しりとり(連想)の例
……上記の手法で出来たバリエーション作品 → ウォーホルの《マリリン》など → 現代美術の「反復と差異」という手法 → etc.

▼「青空」シートを自由に切って台紙に貼ったり、いろいろな場所で写真を撮ったりする実技型(構成)の例
……「きりぬいた(鳥の)形を、どこに飛ばしてみたいかな?」

●テンプレート式の感想記入法なら文章が苦手な子でも楽に記入できる。
  (例) この絵のすばらしさは(           )と思います。
      なぜなら(                 )からです。

●ワークシートの大きさもポイント!A4四つ折くらいがちょうどよい?

■「ワークシート」と「鑑賞ガイド」のちがい……竹山博彦氏(栃木県立美術館)からの意見

◆「ワークシート」とは、もらった人が楽しんで完成させる、「鑑賞」という名の作品であり、それには自分が主役になり、考えるという行為が含まれる。それに対して、「鑑賞ガイド」は、作品を見る上で必要最小限の情報を提供するためのものである。

■次回までの課題

◆栃木県立美術館で開催される「とちぎ美術探訪」展に出品される作品の中から、自分の好きな作品を使ってワークシートを考えてみる、といった課題を持ち寄って発表し、意見交換を行なう。